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新しい職場でケガをしてしまった! 「試用期間」でも「労災」は認められるのか?
2014年05月10日 14時30分

4月から新天地で仕事を始めた人も、だんだん職場に慣れてきたころだろうか。すでに思う存分、力を発揮している人もいるかもしれないが、多くの企業では数カ月の「試用期間」がある。本採用となるまで、少し時間がかかるのが普通だ。その間は大きなミスをしないよう、緊張して働いている人もいるだろう。

そんな緊張感が空まわりすれば、思わぬ形で事故を起こしたり、ケガを負ってしまうことがある。となれば、気になるのが労働災害、いわゆる「労災」のあつかいだ。労災はこうした試用期間中であっても、問題なく認められるのだろうか。労災問題にくわしい古川拓弁護士に聞いた。

4月から新天地で仕事を始めた人も、だんだん職場に慣れてきたころだろうか。すでに思う存分、力を発揮している人もいるかもしれないが、多くの企業では数カ月の「試用期間」がある。本採用となるまで、少し時間がかかるのが普通だ。その間は大きなミスをしないよう、緊張して働いている人もいるだろう。

そんな緊張感が空まわりすれば、思わぬ形で事故を起こしたり、ケガを負ってしまうことがある。となれば、気になるのが労働災害、いわゆる「労災」のあつかいだ。労災はこうした試用期間中であっても、問題なく認められるのだろうか。労災問題にくわしい古川拓弁護士に聞いた。

●非正規社員でも「労働者」なら対象になる

「結論から申し上げると、試用期間中であっても、問題なく『労災』が認められます」

古川弁護士はこうズバリ言う。

「労災は、仕事が原因で生じたケガや病気、死亡などに対して、国が給付をおこなう保険制度です。正規雇用か非正規雇用か、試用期間中か本採用かといった就労形態を問わず、労働者であれば問題なく、労災による救済を受けることができます。

また、労災請求は労働者が単独でおこなえます。したがって、たとえ会社がそれを労災だと認めなくても、労災による救済を受けることができます」

補償の内容も変わらない?

「そうですね。試用期間中であるからという理由で給付の内容が変わることはありません。

具体的な労災給付としては、仕事が原因で生じたケガや病気に対する治療費はもちろん、休業療養する期間の休業補償、後遺障害が残った場合の年金・一時金などがあります。

また、労働者が死亡した場合は、遺族に対する葬祭料や年金・一時金などが支給されます」

●労災を受ければ「安心して治療に専念できる」

試用期間中にケガをして仕事ができなかったことを理由に、不利益な扱いを受ける可能性はあるのだろうか?

「まず、労災によるケガや病気で休業療養している労働者を、雇い主である会社が解雇することはできません。それは、試用期間中であっても同じです。

また、労災請求をおこなったことを理由として、試用期間満了時に解雇することも許されません。

つまり、試用期間中であっても、労災で受けた病気やケガの治療に、安心して専念できるということです。

また、労災請求自体は、国に対する保険給付の請求に過ぎないので、請求をしたからと言って、会社に対する責任追及(損害賠償請求)を行ったことにはなりません。したがって、労災請求をためらう必要はないでしょう」

古川弁護士はこのように、ためらわずに労災を請求するよう勧めたうえで、次のようにアドバイスしていた。

「ただし、労災をスムーズに認定してもらうためには、メンタル疾患などのように『労災認定基準』などの正しい知識が必要となる場合が少なくありません。そのため、労災請求にあたっては、一度は労災問題にくわしい弁護士に相談されることをおすすめします」

(弁護士ドットコムニュース)

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